統計手法を使って2つの売上情報の関係性を調べる

会社の数値的分析というと、最初に思い浮かぶのは財務分析です。PLやBSの数値を活用して各種指標を算出する方法で、非常に一般的に使われています。しかし、他にも会社経営に有用な情報をもたらしてくれる数値的な分析はあります。その代表例が相関分析です。以下、相関分析の手法について解説します。

(1)相関分析とは

相関分析とは、2つの事象の関係性を分析することをいいます。例えば、居酒屋であれば、「枝豆のビールの販売数量の関係」「近場でのイベントの有無と来店客数の関係」などを分析することをいいます。一見、どうやって分析するのか難しそうに思えますが、実はエクセルを使って簡単に分析を行うことができるのです。

(2)相関分析の例

では、上記の枝豆とビールの話を具体例として相関分析を行ってみます。例えば、ある居酒屋の一週間の枝豆とビールの販売数量が以下のようであったとしましょう。

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1日目は枝豆が8個売れ、ビールは100杯売れた。2日目は枝豆が9個…といった具体です。なんとなく、枝豆とビールは相性がいいというイメージがありますが、販売数量にどれだけ関係性があるのかまではよく分かりませんよね。そこで、相関分析をしてみます。

エクセル上で相関分析を行う際の関数をCORREL関数といいます。入力は、「=CORREL(配列1,配列2)」というように行います。配列とは、上記でいえば枝豆の販売数量、ビールの販売数量のことです。具体的には、「=CORREL(C1:I1,C2:I2)」と打ち込むこととなります。

上記入力の結果、セルに「0.59」という数字が表示されました。この0.59が、枝豆とビールの相関性を表しているのです。

(3)相関分析の見方

先ほどの0.59という数値だけでは、相関性が強いのか弱いのかよく分かりませんよね。相関分析においては、一般的に、相関の強弱が以下のように定義されます。

・0 →相関なし

・0~0.4 →弱い相関

・0.4~ →強い相関

このような関係です。つまり、先ほどの0.59という数値は強い相関にあたりますので、枝豆とビールの販売数量の間には強い相関があるという事になります。つまり、枝豆を注文した人がビールを飲みたくなったり、ビールを注文した人が枝豆を食べたくなったりすることが多いということが示唆されるのです。なお、相関には先ほど計算した数値がマイナスになる逆相関というものもあります(日照時間の長さと雨傘の販売数量など)。

以上、相関分析の解説となります。自社の商品やサービスの販売データ等を上手に活用し、経営戦略の立案に役立てて頂ければ幸いです。

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