統計手法を使ってアンケート調査結果を分析する

2つの事象の関係性を分析する手法として前回、相関分析をご紹介しました。この相関分析は「来店客数と〇〇との関係」などの形で分析をすることで経営に非常に役に立ちますが、一方で、2つの事象間の関係性しか見出すことができないというデメリットがあります。

このデメリットを解消した分析手法が、重回帰分析です。以下、重回帰分析について解説します。

(1)重回帰分析とは

重回帰分析とは、ある結果に対する複数事象間の関係性を分析する手法をいいます。定義はややこしいので、具体例を考えてみましょう。例えば、来店顧客へ向けたアンケート結果を考えてみます。アンケート項目は、「味」「価格」「提供速度」「雰囲気」「接客」「総合満足度」という6つの項目を用意し、それぞれ1~5の5段階で評価してもらったとしましょう。このような場合において、重回帰分析によれば、総合満足度がどの要素に大きく依存し、またどの要素とは関係が弱いのかなど、総合満足度とそれぞれの要素との関係性を導くことができるのです。

(2)エクセルを活用した重回帰分析

重回帰分析は統計学的な計算を要するため難解なのですが、エクセルを活用することで簡単に行うことができます。では、実際に上記(1)のアンケートの例で考えてみましょう。

12 重回帰分析 図1

Aさんからgさんまでの7人にアンケートを取り、上記の結果が得られたとしましょう。ここで早速、重回帰分析を行います。順番に、エクセルの「データ」→「データ分析」→「回帰分析」を推します。すると、新しいダイヤログボックスが出てきます。この「入力Yの範囲」という欄に総合満足度の数値のセルの範囲($G$4:$G$11)を、「入力Xの範囲」という欄に味から接客までの数値のセルの範囲($B$4:$F$11)を、それぞれ入力しOKを押します。すると、以下のようなタブが新しく自動で作成されます。

12 重回帰分析 図2

ほかにもいくつか表が出てきますが、上記の表が読めれば十分です。そして、上記の表の中でも重要なのは、「係数」の箇所です。この係数の数値が、総合満足度と各要素との関係性を示しているのです。なお、標準偏差などその他の値は、データのバラツキなどを表しています。

上記の係数の結果より、総合満足度はおよそ以下の計算式で表すことができるという事になります。

総合満足度=1.83+味×0.167-価格×0.5+提供速度×1.33-雰囲気×0.667-接客×0

(接客の「-8.1E-16」というのは、-8.1×10マイナス16乗を表しているため、ほぼ0です)

上記の式から、このお店で言うと、総合満足度に提供速度が大きく関係しており、逆に接客はほとんど関係していないということが分かります。イメージとしては、駅の中にある立ち食い蕎麦屋などですね。このように、重回帰を行うことによって、顧客が求めているもの、売上高に寄与する要因など、様々な要素を分析することができるのです。ぜひ、自社の経営分析に活用して頂ければと思います。

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