創業シリーズ④ 知っておきたい創業時の資金調達

 個人事業主として開業したり、会社を設立したりするにあたって、何かと資金が必要になるかと思います。開業前や開業当初は資金に余裕がないため、財務的に厳しい状況になりがちです。そこで、創業に関して検討すべき資金調達の方法を紹介していきます。

(1)創業補助金

 地方自治体や各種支援機関などにおいて、様々な補助金の支援を行っています。例えば東京都中小企業振興公社においては、賃借料、広告費、従業員人件費等、創業初期に必要な経費の一部を助成する「創業助成事業」を実施しています。申請にあたっては事業計画書などの提出が必要となります。

 そのほかにも、各自治体等が様々な補助金等の支援を行っています。下記ウェブサイトをご参照ください。

創業者向け補助金・給付金(中小企業基盤整備機構J-Net21)

(2)小規模事業者持続化補助金

 小規模事業者持続化補助金の特徴は、対象経費の使い勝手の良さと手続きの簡便さにあります。販路開拓や業務効率化など広い範囲の経費が補助金の対象となり、また上記(1)と比べると申請手続きが簡易です。

 通常枠ですと、補助率が2/3、受け取れる補助金の上限は50万円(経費を最大75万円使った場合、その2/3である50万円の補助金を受けることができる)ですが、今年から創業枠というものが設けられ、これに該当する場合、補助金の上限が200万円になります。創業枠で申請するためには、過去3か年の間に開業した事業者であることや、「特定創業支援等事業※」による支援を受けていること、などの要件がありますので、詳しくは公募要領で確認してください。

 なおこの補助金は名称の通り、小規模事業者を対象としたものです。従業員数が、商業・サービス業であれば5人以下(ただし宿泊業・娯楽業は20人以下)、製造業その他であれば20人以下の事業者が対象となっています。
また補助金は返済不要のため事業者にとって大変助かる制度ですが、後払い(経費を使った後に補助金を受け取る)であるため、資金ショートとならないよう注意が必要です。

(3)創業融資

 創業融資は文字通り、新たに事業を開始する方などを対象とした銀行融資のことです。その代表的なものが、日本政策金融公庫の新創業融資制度です。融資限度額は3,000万円であり、金利1~3%前後で融資を受けることができます。
 (2)で解説した通り、補助金は経費を使用した後に受け取ることとなるため、その経費を使用するための元手が必要となります。元手が足りないということであれば、このような融資制度を活用するとよいでしょう。

 ぜひ、ご自分の事業や会社に合った資金調達を検討していただければと思います。

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